キャリアスキップも悪くない
就活解禁シーズン。電車の中やオフィス街で、まだまだ着なれないスーツに身を包む学生さんを目にする季節になりました。
もう10年以上前になりますが、自分自身の就活を思い出します。受かったり落とされたり、一喜一憂したのも今では懐かしい思い出です。就活学生さんがんばれ~!心の中でひそかにエールを送っています^^
スウェーデンの友人と仕事について話をしていたとき、こんなことを言っていました。
「スウェーデンでは、同じ会社に4年もいると‟LAZY“だって思われるよ。転職を繰り返しながらスキルアップしていくのが当たり前の社会だからね。」
日本では長く勤めあげることはむしろ美徳のようなところがありますから、全く正反対の言葉にビックリ。現に、就活市場では福利厚生が充実していて、長く安定して勤めあげられるような企業は不動の人気ではないでしょうか。
スウェーデン人がなぜ転職を繰り返していくかというと、スウェーデンは新卒一括採用でなく、年功序列でもないので、同じ会社で今のポジション/今のスキルに甘んじていると給与がほとんど上がっていかないのだそうです。給与を上げるためにはスキルアップし、上のポジションで採用してくれる会社に転職していくのが一般的だとか。ある意味、日本よりもキャリアアップのためのポジション争いはシビアかもしれません。
そんなシビアな競争環境にあるスウェーデンですが、必ずしもすぐにキャリアアップには直結しなそうな回り道を選択することもごくごく普通の社会です。
例えば、一旦バリキャリを辞めて、家庭中心で仕事をする男性。海外で働いてみること。好きな国の言語を習得すること。
実際に、「LAZY」話をしてくれた友人も一時仕事を中断し、6か月の休暇を取って来日しました。
ひとたび何かを始めたとき、それを手放したり、新しい環境に飛び込むのは勇気がいるもの。
「継続」が美徳の日本では、特にそうではないでしょうか?
どうしてそんなに簡単にキャリアを中断できるのか友人に尋ねたところ、
「今やりたいことをやりたいから。上司に休暇の相談をしたら渋い顔をしたけれど、それは自分の持っている権利だし、上司には止めることができない話だから。」とのこと。
あくまでも仕事は人生のひとつの構成要素。右肩上がりでがむしゃらに頑張り続けるキャリアアップだけでなく、立ち止まったり回り道する‟キャリアスキップ“の余地をみんな持っている。そう思うと、少し躊躇しそうな選択も自分らしさを軸に掴み取ることができそう・・・。
日本も終身雇用がいよいよ崩れ去ろうとしている現代、転職もごくごく一般的になりました。会社を変えるだけでなく、ライフステージに応じて仕事を含めたライフスタイルを変化させていくことー多様な人生選択に免疫をつけているのが、まさに今の日本なのかな・・・なんて思います。
まだまだスウェーデンに比べてレールをはずれるリスク過多な日本だからこそ、
まわりの友人がそんな選択をしたときには心からエールを送りたいものです。